ひぐらしのなく頃に解 祭囃し編【ゲーム】 [レビュー・感想]
七度目ともなれば、もはや喜劇。
ならば八度目は、遂に大団円……?
連続殺人ノベル「ひぐらしのなく頃に」。
この「祭囃し編」にて、とうとう完結です。
長かった物語も、これでおしまい。
いや、「長かった」のではないのですよね、正確に言えば。
何度も廻り廻った物語も、今回で、最後。
良い話と悪い話、どっちを先に聞きたい? う~ん、悪い方から。
という訳で問題点から。
とにかく作りが粗くてびっくりしました。せっかくのフィナーレでコレはねえだろ……というレベル。誤字脱字どころじゃありません。
同じセンテンスなのに一人称と三人称がごちゃ混ぜになってるっていうのは、良い悪い以前の問題じゃないかと思うんですが……。下手すると人称だけじゃなくて視点まで複数の人物のソレが混ざっています。
今回様々な登場人物の視点が目まぐるしく切り替わって様々な事象が述べられていくのですが、この「切り替え」を作者自身が把握できていないのではないでしょうか。おかげでとにかく読み辛いったら……。文章で与えられた情報を自分の頭の中で再構築しながら読み進める、さながらそれこそ「カケラ紡ぎ」のようです。
修正パッチ出してくれるんだろうな? 出してくれないとちょっと困りますよ、これ。
それから。
圭一をはじめ主要キャラ達の活躍を期待している向きには正直、ガッカリだよガッカリ! という話になってしまったのではないでしょうか。後述しますが今回活躍するのははっきり言って圭一達ではありませんですから……。
今回の主人公は誰なのかといえば、恐らくは、オモテ主人公梨花&羽入VSウラ主人公鷹野三四、という図式になるかと思いますが、主人公=大活躍、とはいかなかったので……。今までの「ひぐらし」とはある意味、かなり毛色が違う物語になってしまいました。
それを是とするか非とするかは読み手側に委ねられており、竜ちゃん先生が何度も口を酸っぱくしていっているように「楽しんだ者勝ち」なのですから、気にしない人はもちろん気にしなくてもいいのですけども。
では良かった点を。
今までさんざっぱら「役立たず」扱いだった人々が軒並み株を上げました。その活躍ぶりは爽快感さえ伴う程! 特に、大人組の皆さんの大立ち回りは、ナニコレどうしちゃったの!? という感じです。
その筆頭はなんといっても赤坂衛その人! いやー参りましたね、まさかこの人がここまで重要なキーパーソンだったとは! 獅子奮迅とはまさしく今回の彼の為の言葉ですよ。今までの下げ株を一気に返上して尚余りある大活躍、上げに次ぐ上げでもはやストップ高! お嬢さん俺に惚れるなよ? みたいな。給料いくらだ! こりゃもうたまりませんです。
富竹ジロウもここへ来てやっと「時報」の汚名(笑)を返上。なんだー、ちゃんと戦えばこんなに強い人だったんじゃないですか! 最後の最後でオトナの包容力もきちんと見せてくれます。
入江先生……は、そんなに大活躍でもなく、むしろどちらかといえばヘタレ確定なんですが(笑)、デスクワークの人にそんなに多くを期待しちゃいかんですよ。でもイリーファンもご安心アレ、入江京介の隠された過去がちょっぴり明らかに! っていうか、今回入江先生視点一人称の箇所が割と多いので、イリーファン垂涎の品となっております、みたいな。しかも今回、久々に「固有結界・メイドインヘヴン」が発動しちゃいますですよ!
そういえば竜ちゃん先生、製作期間中にメニエルで病院行ったとか言ってなかったっけ? 詩音の左耳のエピソードはその時の体験がもとなのかしら……。
詩音といえば、「祭囃し編」で一番「よかったねえ」って言ってあげたいのは詩音かもしれないですね。よかったねえ、詩音……。
さて。
これで全ての断片は、我々の手に委ねられました。
この断片を全く違う形に紡ぎ合わせて、全く違う物語を生み出す事を、我々は許されています。
これからも、幾多の「ひぐらしのなく頃に」、生まれん哉。
昭和58年6月19日の祭囃しを聞きながら。
流石にAmazonじゃ売ってないので(当たり前)ご購入はこちらから。
http://07th-expansion.net/
関連商品ご紹介。
TVアニメーション「ひぐらしのなく頃に」イメージアルバム かけらむすび
- アーティスト: TVサントラ
- 出版社/メーカー: フロンティアワークス
- 発売日: 2006/09/27
- メディア: CD
【おまけ】
「カケラ紡ぎ」には隠し要素があり、作中のヒントを頼りにノーミスで進めると違うEDを見る事ができます。ネタバレにつき見たい人だけ以下のURLからドゾー。
頭にhを入れて、以下の文に当てはまる言葉を半角小文字で入れてネ。
「田無○○○はお子様ランチの旗を△△本集めていた。」
ttp://wafuu.opal.ne.jp/○○○△△.html
コメント 0